休業損害と解雇・任意退職

2022-03-18

私は、追突事故に遭い、仕事を長らく休業しておりましたが、その後会社から復帰できないようであれば、退職するように言われました。この場合の、休業損害と任意退職に関する賠償金ついて教えて下さい。

まず、休業損害は、事故の影響で、仕事を休んだ場合に、現実に収入が下がった場合に発生します。

また、有給休暇を使用した場合でも、休業損害が発生します。

では、事故により退職を余儀なくされたり、解雇された場合はどうでしょうか。

結論としては、事故と解雇又は退職との間に相当因果関係がある場合とそうでない場合とで結論が異なる、ということになります。

簡単に言えば、事故が原因で解雇又は退職を余儀なくされた場合といえるか否かがポイントになります(事故とは無関係に自分の意思で退職した場合や、全く別の原因で解雇された場合は、事故の影響とは言えないということです)。

この因果関係の判断において最も重要な点は、①事故の衝撃の強さ、②症状名(他覚的所見の有無)、③職種・勤務内容でしょう。

強度の事故で、重度の後遺障害が残ってしまい、手足が不自由になってしまった場合で、肉体労働の方がその職務を継続するのは不可能であるときなどは、事故と退職等との間に因果関係ありと判断して良いと思われますが、軽微物損事故の場合に、任意に退職した場合には、因果関係は認められないという結論になるでしょう。

なお、事故と解雇又は退職との間に相当因果関係がある場合とそうでない場合においては、休業損害(正確には、退職等によって喪失した本来得られるべきであった収入から、再就職した後に得た収入又は再就職により得べかりし収入を控除した差額)が認められると考えるべきでしょう。

 

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